最高裁平成17年11月10日第一小法廷判決
事実の概要は、いわゆる和歌山カレー事件の被告人が、法廷において手錠腰縄でいる状態を、裁判所の許可を得ることなく撮影され、週刊誌に掲載されたことにより、肖像権侵害を理由として、出版社及び週刊誌の編集長に対して、慰謝料支払等を請求したというものである。出版社については民法709条、編集長及び発行人に対して民法715条。 さらに、その後の記事とイラスト画が被告人を侮辱し、または名誉を毀損するとして出版社の代表取締役を(改正前)商法266ノ3に基づき、肖像権侵害、名誉毀損または侮辱を理由として、慰謝料等の支払を求めた。
一審は肖像権侵害による不法行為の成立を認め、また肖像権及び名誉権の侵害も認め、請求認容。二審も減額はしたが、請求認容。
最高裁判所は、まず肖像権について「人は、みだりに自己の容ぼう等を撮影されないということについて法律上保護されるべき人格的利益を有する」とした(最大判昭和44年12月24日判決)を引用しつつ、「ある者の容ぼう等をその承諾なく撮影することが不法行為法上違法となるかどうか」について規範を立てた。 この場合に考慮されるものとして「被撮影者の社会的地位、活動内容、撮影場所、撮影目的、撮影の態様、必要性と受忍限度内かどうか」などを挙げている。 イラスト画については、写真とは異なるイラスト画の特質(作者の主観や技術)があるとし、イラストの掲載は社会的に是認されているとして、不法行為が成立するためには社会生活上受忍限度を越えている必要があるので、この点について原審に差し戻した。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=24988&hanreiKbn=01
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